働き方改革

働き方改革の公務員への影響とは?長時間労働是正・柔軟な働き方・副業は実現する?

働き方改革関連法が2019年4月1日に施行されるのにともない、社会問題化する長時間労働是正に向け、労働基準法も罰則付の時間外労働上限規制、有給取得の義務化が盛り込まれた形で改正されます。改正労働基準法施行は、働き方改革が掲げる柔軟な働き方、労働生産性の向上を実現できるのか?その行方が期待されています。

一方、法整備を含めて着々と計画が実行に移されている働き方改革は、公務員にどのような影響を与えているのでしょうか?公務員も働き方改革の計画に従って、柔軟な働き方の実現が目指されるのでしょうか?時間外労働に関する36協定と公務員の関係とは?

そこで本記事では、知っているようで意外と知らない公務員の働き方の現状や、労働法が公務員とどのように関連しているのかを解説し、働き方改革が公務員の働き方をどのように変革していくのか?を考察していきます。

そして、公務員は副業ができるのか?という読者の疑問を解決する情報も提供します。

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働き方改革とは?


公務員と働き方改革がどのような関係性にあるのかを解説する前に、まずは働き方改革とはなにか?をおさらいしておきましょう。

働き方改革とは、女性や高齢者を含めた国民すべてが活躍できる、一億総活躍社会の実現を目指し、少子高齢化による労働力人口の減少を食い止め、労働生産性を向上させていくための取り組みです。これを実現するには、誰でもが働きやすく子育てのしやすい柔軟な働き方ができる環境を作り、長時間労働や賃金格差を是正して労働生産性を向上させなければなりません。

そのため、2016年9月には働き方改革実現会議が設置され、さまざまな議論を経た2017年3月28日に決定されたのが「働き方改革実行計画」です。働き方改革実行計画には、テーマとなる9つの分野それぞれに改革への方針と計画が示されており、関連法案の施行が進められています。

なかでも、労働者に直接関連するのが2019年4月1日から施行される、改正労働基準法です。長時間労働是正に向けて、これまで法的な規制のなかった時間外労働に罰則付きの上限規制が設けられ、柔軟な働き方に向けて、テレワークや副業を推進するガイドラインも設けられました。

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公務員の働き方の現状とは?


それでは、定時出社・定時退社のイメージがある公務員には、是正すべき長時間労働の実態はあるのでしょうか?テレワークやフレックスタイムの浸透や副業の現状など、柔軟な働き方の実態とともに、公務員の働き方の現状を紹介します。

やむを得ない残業の多い公務員

公務員の勤務時間・休暇・休日に関しては、職員の健康や福祉を考慮したうえで時間外・休日勤務を命じなければならないとされています。しかし、災害や有事の際はこの限りではありません。つまり、災害や有事の際には、内閣府や各省庁の職員はもちろん、自衛隊、消防、警察、都道府県市区町村の地方公務員まで、勤務時間・休日関係なしに任務にあたる場合があります。

災害や有事など、それほど頻発するものではないのではないか?と考える人もいるかもしれません。しかし、平時の勤務に関しても公務員には「やむを得ない残業」が多いといわれています。

たとえば、各省庁職員などの国家公務員であれば、国会に関連した法令協議や予算折衝などの処理に、時間外労働で対応しなければなりません。事実、働き方改革の中心ともいうべき、厚生労働省の一部職員では、月間200時間の時間外労働が常態化しており、過労死ラインとされる月間80時間以上の時間外労働の割合も19%にのぼります。

一方の地方公務員も、地域住民との折衝や説明会開催などが夜間や日祭日になることが多く、必然的に時間外や休日の労働が強いられる環境にあるといえます。総務省が時間外労働に関する実態を調査した際も、民間企業の平均154時間に対し、都道府県職員の平均が158時間、国家公務員が233時間と、いずれも民間の平均を上回っています。

公務員のフレックスタイム・テレワーク

働き方改革で掲げられている、柔軟な働き方に関してはどうでしょう?実は、国家公務員のフレックスタイムに関しては、2016年4月から全職員を対象に導入済みです。地方公務員に関しては全職員対象ではないものの、一部で時短勤務制度などが導入されており、民間のフレックスタイム制浸透に向けた指標となるような努力が進められています。

一方、在宅勤務を含むテレワークに関しては、国家公務員を中心に推進されているものの、実施率は公務員全体の約0.3%にとどまっています。

公務員の副業

労働生産性の向上に向けて推奨される副業に関しては、民間企業以上に、公務員が副業することに対する抵抗感が強いようです。これは「信用失墜の禁止」「守秘義務」「職務専念の義務」という、公務員の副業禁止三原則といわれる規制があるからです。

現在、本業である公務員以外の収入で認められているのは、不動産運用・農業・太陽光発電などに限られており、規模や収入金額が一定以上を超えて自営とみなされた場合、任命権者の許可がなければ認められません。

つまり、一般企業の従業員が気軽に取り組めるような副業であっても、公務員が副業目的として手がけるのは禁止されているのです。

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改正労働基準法は公務員に適用されない?


ここまでの解説でおわかりのように、公務員にも長時間労働の実態があり、柔軟な働き方や副業が浸透しているわけでありません。それではある意味、民間企業と同様の課題を抱えている公務員の働き方は、改正労働基準法施行以降、改善されていくのでしょうか?

給与が民間の実態に連動する公務員では、働き方も民間の実態に連動すると思われます。しかし、改正労働基準法の目玉でもある「罰則付き時間外労働の上限規制」は、一部の公務員を除いて適用されません。これは、労働基準法以外の労働法に関しても同様です。

労働法と公務員の関係


労働法に関連する法律はさまざまですが、労働三法といわれる「労働基準法」「労働組合法」「労働関係調整法」がその代表とされる法律です。詳細は割愛しますが、それぞれ、労働者と雇用主間のルール、労働組合の設立の権利、労使間争議の予防・解決に関する法律だといえるでしょう。

国家公務員には、これらの労働三法が原則的に適用されません。つまり、労働者と雇用主という関係性が存在せず、労働組合を設立することも、賃金などの待遇改善を求めて労使間で交渉するのもできません。

地方公務員についても、労働組合法・労働関係調整法の適用外であり、労働基準法が適用されるのも一般職員のみに限定されます。ただし、一般職員に対する労働基準法の適用にも制限があるため、すべての法律基準が適用されるわけではないのです。

公務員に適用される労働に関する法律


それでは、労働基準法が適用されない公務員は、なにを基準に職務に従事しているのでしょうか?

民間企業では、労働法に遵守する形で就業規則というルールが作成されますが、国家公務員の場合は、国家公務員法、公務員の待遇に関する法律、人事院規則に従って、地方公務員の場合は、地方公務員法、条例、人事委員会規則に従って就業ルールが定められているのです。

不祥事などは発生した際の処分も、民間企業が就業規則に従って行われるのに対し、公務員の場合は国家公務員法、地方公務員法に従って処分が下されます。

労使間交渉のできない公務員の給与は「特別職の職員の給与に関する法律」や「人事院勧告」で定められるのです。

公務員の長時間労働は是正される?


時間外労働を禁止する労働基準法には、労使間の合意にもとづく例外措置である36協定が存在し、今回の改正労働基準法では、36協定による時間外労働に罰則付の上限規程が法的に設けられたのがトピックです。

しかし、労使間交渉できず、労働基準法も適用されない公務員でも、すでに解説したような長時間労働の実態があります。働き方改革が本格化する今後、公務員の長時間労働は是正されるのでしょうか?

公務員の働き方は、さまざまな法律で定められていますが、労働時間や時間外労働、休日労働などに関しては、国家公務員が人事院規則、地方公務員は人事委員会規則で定められています。つまり、これらの規則が改正労働基準法に準じる形で改正されれば、公務員の時間外労働は少なくとも、民間と同様の上限に抑えられるはずです。

人事院が国家公務員の残業時間規制を改正

そんななか、国家公務員の就業規則ともいうべきルールを規程する人事院が、2018年7月10日、国家公務員の残業規制に乗り出す方針を固めたという報道がされました。これは、国会で法案が成立した働き方改革関連法で、長時間労働是正に向けた改正労働基準法が成立したのを受けた動きです。

その後、2019年2月1日には人事院規則15-14(職員の勤務時間、休日及び休暇)として、正式に一部改正、改正労働基準法と同様、2019年4月1日から施行されることになりました。

具体的には、超過勤務命令(時間外労働)の上限時間を、1か月について45時間かつ1年について360時間までと規程を改正。他律的業務の比重の高い部署に勤務する職員に対しても、1か月について100時間未満かつ1年間720時間までという、明確な上限が設けらたのです。

民間企業と同等の上限規制が国家公務員に設けられたことで、地方公務員にも同様の動きがあると予想されますが、勤務記録を捺印に頼っている現場が多い現状からすると、公務員の勤務状況を正確に把握し、適正な状態まで正していくのは困難なことも予想されます。まずはタイムカードなどの導入を徹底し、実態を明確にしていくのが先決でしょう。

公務員の柔軟な働き方は実現する?


それでは、公務員のテレワークなど、柔軟な働き方に関してはどうでしょうか?すでに導入されたフレックスタイムに関しては、公務員にも徐々に浸透していますが、全体の0.3%にとどまるテレワークは、柔軟な働き方として浸透しているとはいえません。

これは公務員の業務が、個人情報や国・自治体の情報など、機密性の高い情報を取り扱わなければならないこと、未申告の時間外労働の増加が懸念されることなどが原因として挙げられます。

徐々に公務員のテレワーク導入割合は増えているものの、職員の勤務状況管理とともに、テレワークを実現するためのハード面、ソフト面での強化も欠かせないといえるでしょう。

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公務員の副業は解禁される?


労働生産性を向上させるための副業推進も、副業禁止の三原則がある公務員にとっては依然として高いハードルがあるといえます。しかし、民間に推奨していながら、公務員の副業を禁止し続けるのはムリがあるといえ、将来的には規制も緩和される方向になると見られています。

副業解禁に向けた動きは、公務員でも少しずつ現れており、2017年4月には兵庫県神戸市が、職務外の地域活動に従事することで報酬を得られる基準を策定、続く8月には奈良県生駒市も、同様の基準を設けました。

この場合の地域活動に該当するのは「公益活動」とされ、以下のように定義されています。

  • 公的な機構を通じて行われる、国民全般の福祉をはかる公的活動
  • 企業の営利活動の結果、間接的にはかられる福祉増進活動
  • 利潤追求を目的としない組織を通じて、直接社会福祉や文化の向上を目指す社会的活動

いずれにしても任命権者の許可を得て取り組まなければなりませんが、これまではなんらかの資産を持つ公務員が、それを有効活用するだけにとどまっていた副業に、選択肢ができたのは画期的だといえます。

あらゆる選択肢がチョイスできるようになるには長い道のりがありそうですが、副業解禁への第一歩として、期待できる動きだといえるのではないでしょうか?

まとめ


一部を除いて、労働法の適用対象とならない公務員も、働き方改革がまったく関係ないということではなく、むしろ、民間の動きに追随するよう、就業規則に代わる関連法律で、働き方改革に準じたルールが策定されるのがお分かりいただけたのではないでしょうか?

一方、公的機関の職員という公務員の業務特性から、テレワーク導入や副業解禁が簡単にできるものではないのも事実です。しかし、民間企業で実現している従業員の働き方の実態把握、機密保護しながらのテレワーク導入ができないのは、依然としてタイムレコーダーなどが導入されていないことに代表されるように、公的機関の業務合理化が進んでいないことにあるでしょう。

人事院勧告でも指摘されているように、公務員の働き方改革を実現するには、なによりもまず、ICTも活用した業務の合理化なのです。それが実現されてはじめて、長時間労働の是正や柔軟な働き方が実現するのではないでしょうか?

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