働き方改革

中小企業がとるべき働き方改革の施策とは。課題解決のサービスを紹介

長時間労働の是正を目的に、時間外労働の罰則付き上限規制、有給取得義務化などを盛り込んだ働き方改革関連法が、2019年4月1日からいよいよ施行されます。しかし、すでに準備が整っているように見える大企業に対し、中小企業の関連法案対応は遅れがちなのが現状だといえるでしょう。

時間外労働の罰則付き上限規制など、一部の関連法に中小企業への猶予措置が設けられているのもその理由ですが、問題の本質はそれだけではなさそうです。それでは、なぜ中小企業の働き方改革は進んでいないのか?約1年後に迫った働き方改革関連法への適用に、中小企業は本当に間に合うのか?

そこで本記事では、働き方改革関連法への対応が進まない中小企業の現状や理由を解説するとともに、どのように対策を進めるべきか、そのために有効なツールはなにかを紹介していきます。

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働き方改革とは?


働き方改革とは、すべての国民が働きやすい社会を実現させることで、女性や高齢者の労働参加率を高め、労働生産性を向上させていくことによって、労働人口の減少傾向に対応していこうとする政府主導の取り組みです。

働き方改革では長時間労働の是正、非正規労働者の待遇改善、柔軟な働き方によるワークライフバランスの実現などが計画されており、潜在的な労働人口を生み出して活用することを目的に、法整備が進められています。

すでに女性活躍推進法などが先行して施行されていますが、働き方改革関連法でもっとも重要視されているのが、2019年4月1日に施行される改正労働基準法です。なかでも、これまで法的な強制力のなかった36協定が改正され、罰則付き上限規制が明確に定められたのはトピックでしょう。

この罰則付き上限規制は、中小企業に対しては猶予措置が設けられており、2020年4月1日から施行・適用されます。しかし、改正労働基準法の施行は全企業を対象に一斉に適用される項目もあり、中小企業がすべてに対して猶予されているわけではありません。

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働き方改革における中小企業の定義


それでは働き方改革で言及されている中小企業とは、どのように定義付けられているのでしょうか?それは「資本金の額または出資総額」または「常時使用する労働者の数」で判断します。中小企業であるかどうかは、事業所単位ではなく企業単位で判断され、以下の要件を満たしている必要があります。

業種 資本金の額または出資の総額 常時使用する労働者の数
小売業 5,000万円以下 50人以下
サービス業 5,000万円以下 100人以下
卸売業 1億円以下 100人以下
その他 3億円以下 300人以下

この条件に当てはまる企業は中小企業となるため、一部の働き方改革関連法の猶予措置の対象になりますが、当てはまらない場合は大企業となり、猶予措置は受けられません。また、労働者の数に関しては、臨時的な雇用などは含めませんが、パートやアルバイトであっても常時雇用しているなら労働者数に含めなければなりません。

中小企業に働き方改革関連法が適用される時期


働き方改革に置いて中小企業と認められた企業に、関連法が適用される時期はいつになるのでしょうか?猶予措置のない項目を含め、主なものを紹介してみましょう。

  • 時間外労働の罰則付き上限規制・・・2020年4月1日(大企業は2019年4月1日)
  • 年間で5日間の有給取得義務化・・・2019年4月1日(猶予措置なし)
  • 勤務間インターバル制度導入の努力義務・・・2019年4月1日(猶予措置なし)
  • 月60時間を超える時間外労働の割増賃金率・・・2023年4月1日(これまでの猶予措置を撤廃)
  • 同一労働同一賃金の適用・・・2021年4月1日(大企業は2020年4月1日)
  • 高度プロフェッショナル制度の創設・・・2019年4月1日(猶予措置なし)

建設業・運送業など、一部、上限基準や適用時期が異なる業種もあるものの、重要な項目の適用時期はまさに目前です。

中小企業に猶予措置のある項目も「時間外労働の上限規制」「同一労働同一賃金」のみであり、これまで猶予措置のあった「割増賃金率」も、将来的には遵守しなければなりません。時間外労働の削減や賃金アップが容易ではないことを考えれば、中小企業の得られる猶予期間は決して充分なものだとはいえないでしょう。

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なぜ中小企業は働き方改革関連法に未対応なのか


それでは、実際に働き方改革関連法への対応が順調に進んでいる中小企業は、どのくらい存在するのでしょうか?2018年10月に、株式会社チームスピリットが行った調査結果によれば、働き方改革関連法への対応に未着手の企業は、従業員数300人以上の企業で約45%、従業員数300人未満の企業にいたっては約70%にもおよぶことがわかっています。

出典:株式会社チームスピリット プレスリリース 働き方改革関連法に関する企業の対応実態調査

驚くべきことに、従業員数300人未満の企業では、働き方改革関連法に対応している企業が8.2%しかないのに対し、法改正自体を知らない企業が約半数の48.2%も存在するのです。

なぜ働き方改革関連法へ対応が未着手なのか?法改正自体は認識している企業に理由を聞いたところ、もっとも多かったのが「社内体制が整っていない」「対応するリソースがない」であり「対応に必要な作業が洗い出せていない」が続いています。

同プレスリリースでは、働き方改革関連法への対応が必要だとは感じつつも、通常業務が優先されている現状がその理由だとしており、中小企業ならではのリソース不足が露呈しているともいえます。

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中小企業が目指すべきは労働生産性向上


しかし、ただでさえ優秀な人材の確保が困難になっている中小企業が法改正を放置すれば、ますます人材獲得が困難になるばかりか、人材流出につながりかねません。時間外労働が減らないことによる人件費の高騰はもちろん、法令違反による社会的影響は企業経営に甚大な損失をおよぼします。

もはや、働き方改革関連法への未着手に、体制づくりやリソース不足を理由にしている場合ではありません。それこそ中小企業が生き残っていくには、働き方改革の目標である「労働生産性向上」を実現し、労働時間を削減しつつ利益を最大化しなければならないのです。

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中小企業の働き方改革関連法対策とは?


それでは、中小企業が働き方改革関連法に対応していくには、どのように対策を施し、実行に移していけばいいのでしょうか?重要なポイントを具体的に解説していきましょう。

経営トップのリーダーシップ

中小企業に限りませんが、組織内でドラスティックな改革をする際に、指示系統が複数あると方向性がぶれてしまい、結果的に物事が進まなくなってしまいます。慣れ親しんだ方法に固執するあまり、抵抗勢力を生んでしまうことも考えられるでしょう。

つまり、大きく働き方を改革しなければならない関連法へ対応するには、経営トップが先頭に立った強いリーダーシップが必要であり、あるべき姿を想定した具体的な目標を立て、方向性を明確にしておかなければなりません。抵抗勢力を納得させる具体策と、それを実行に移す決断力が重要です。

業務の棚卸し

組織の生産性を向上させるには業務効率化が欠かせません。そのためにまずは、現在の業務をすべて洗い出し、必須の業務、合理化が必要な業務、重複している業務、必要ない業務などに分類して棚卸しする必要があるでしょう。

特に古くからの慣習のように行われている業務のなかには、現在の業務の流れに必要ないものが含まれている可能性があります。固定概念で必要・不必要を判断せず、業務効率化という最終目標を実現するため、論理的に判断していくのが重要です。

ムダな業務・重複した業務の撤廃

業務の棚卸しが完了したら、まずは必要のないムダな業務や重複した業務を徹底的に排除しましょう。日報提出などの報告関連、資料作成などに重複した作業やムダな作業が数多く含まれている可能性があります。

また、会議そのものや、それに関連する業務にもムダや重複が隠れています。定例会議などがそもそも必要なのか?社内プレゼンの資料を作り込む必要があるのか?など、小さなムダや重複の排除を積み重ねていくことで、大きな業務効率化が達成できる場合もあるのです。

業務合理化ツールの導入

必要でありながらも、従業員のリソースを投入しなければならない間接業務は、ツールを導入して業務の合理化を図るべきです。たとえば経費精算などは、外回りの多い営業職の場合、月に2時間以上も経費精算処理に費やしているといわれます。経費精算システムを導入することで、こうした時間を1/6〜1/10にまで削減できるでしょう。

もちろん、時間外労働を削減するには、従業員の勤務状態を把握しなければなりません。時間外労働の状況が一目でわかる勤怠管理システムなどを導入し、働き方を管理していく必要があります。

ツール導入にかかるコストを懸念する経営層も存在するようですが、導入ハードルの低いクラウドサービスを活用すれば最小限のコストに抑えられます。ツール導入にかかったコストを回収するには、節約できた時間をコア業務に振り向け、生産性を向上させればいいのです。

アウトソーシングの活用

営業活動に必要な業務だったとしても、従業員がリソースを投入して実行するにはコストがかかりすぎる場合もあるでしょう。たとえば、営業先のプレゼンの際に、市場動向の統計をとったり、ユーザーの声をまとめたりするのは骨の折れる仕事です。

こうした社外に出しても問題ないような業務は、アウトソーシングして社内リソースを節約しましょう。現在では高品質かつ低価格で仕事を依頼できるフリーランサーが多数在籍する、クラウドソーシングサービスが利用できます。

ハード・ソフト面での時間外労働削減

ここまでの対策を実行してある程度の効果が確認できたら、ハードウェア面での時間外労働削減が実施できます。たとえば、定時を過ぎたら社内サーバーへのアクセスを遮断する、強制的に施錠するなどです。もちろん、隠れ残業などができないように、PCの持ち帰りなども制限しなければならないでしょう。

上長が率先して帰宅するなどのソフトウェア面も含め、従業員の賃金も考慮するのも重要です。たとえば、残業代をあてにする従業員は一定数存在するといえます。時間外労働を削減しても業績が上向きであれば、その分を賃金で報いる仕組みを作る、従業員の副業を容認するなどの対策も必要です。

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中小企業の働き方改革実現に有効なサービス紹介


労働生産性を向上させていく具体策は理解できたけれど、業務を合理化するツールはさまざまなサービスが存在するため、なにを選んでいいかわからない、そんな声もあるかもしれません。そこで以下からは、中小企業が働き方改革を実現させるために有効な、おすすめのサービスを紹介しておきます。

働き方改革プラットフォーム「チームスピリット」

勤怠管理や経費精算など、間接業務を合理化するツールを導入していない中小企業は、複数の業務を合理化するツールを統合した、働き方改革プラットフォーム「チームスピリット」を導入するといいでしょう。

チームスピリットは、経費精算・勤怠管理・就業管理・工数管理・スケジュール管理・電子稟議・SNSの機能を統合し、使いやすいスマートフォンアプリでいつでもどこでもアクセスできる、クラウド型働き方改革プラットフォームです。営業の移動中に経費申請し、スケジュールと工数管理・SNSで結果報告、GPS機能で打刻して直帰するなどがスマートフォンひとつで実現します。

蓄積された就業データは管理画面のダッシュボードで可視化できるため、時間外労働の管理や業務の進捗管理も簡単、業務を見直してさらなる生産性向上に活かせます。

勤怠管理システム「jinjer 勤怠」

まずは従業員の勤務実態を正確に把握したいなら、勤怠管理システム「jinjer 勤怠」が最適です。

jinjer 勤怠は、ICカードやPCでの打刻はもちろん、スマートフォンやタブレットを活用したGPS打刻、チャットアプリでの打刻など、さまざまな打刻方法に対応する、クラウド型勤怠管理システムです。複雑なシフト管理に対応するのはもちろん、時間外労働の状況をグラフで可視化、従業員の勤務実態を正確に把握できます。

カメラとAIで従業員の健康状態を判断する笑顔判定機能も搭載、ストレスの兆候を早期発見できるのも特徴です。

経費精算システム「MFクラウド経費」

外回り営業の従業員が多く、まずは経費精算を合理化でムダな時間を削減したいなら、高機能な経費精算システム「MFクラウド経費」をおすすめします。

MFクラウド経費は、乗換案内やICカードを活用した交通費申請の合理化、領収書をデータ化できるスマートフォンアプリなどで、経費精算を劇的に効率化する、クラウド型経費精算システムです。移動中などの隙間時間を利用した申請、いつでもどこでも承認できるワークフロー機能などを持ち、高機能ながら、利用したユーザーの分だけ課金されるという価格体系も魅力です。

各種会計システムと連携し、クレジットカード明細も取得できるなど、経理担当者のリソースも節約できます。

コミュニケーションツール「Slack」

社内連絡にメールや電話しか活用していないなら、コミュニケーションツール「Slack」を導入して意思の疎通を滑らかに、かつ迅速化しましょう。

Webブラウザ、スマートフォンアプリの存在するSlackは、チャット機能を中心にビデオ通話、音声通話、ファイル添付などでコミュニケーションを円滑にできる、クラウド型チャットツールです。メンバーを限定したグループを作成するのも、スレッドで特定のトピックを議論するのも可能。情報の伝達漏れやタイムラグを排除したコミュニケーションを実現できます。

ビジネスアプリケーション「Microsoft Office 365」

テレワークや営業先での業務も視野に入れるなら、業務に欠かせないビジネスアプリケーション「Microsoft Office 365」の導入が必須です。

Microsoft Office 365は、Office各製品はもちろん、チャットツール・コラボレーションツールであるTeam、大容量ドライブOneDriveをシームレスに統合し、業務に必要なすべてを兼ね備えるクラウド型ビジネスアプリケーションです。インターネットに接続できれば、いつでもどこでも仕事できるのに加え、チャットやコラボレーションツールを利用したコミュニケーションも可能、グループウェアのような役割も果たします。

クラウドソーシング「CrowdWorks」

従業員の時間外労働削減のため、外部に業務をアウトソーシングしたい場合は、クラウドソーシング「CrowdWorks」を活用して、リーズナブルに業務委託できます。

世界各地の優秀なフリーランサーが在籍するCrowdWorksは、仕事を依頼したい個人・法人とフリーランサーを結びつけるクラウドサービスであり、日本最大手規模の登録者を誇っています。定期的な業務依頼も、単発での依頼も自在、報酬の支払いをCrowdWorksに委託することも可能なため、面倒な手続きも必要ないでしょう。
クラウドワークス

まとめ


中小企業にとっての働き方改革関連法遵守がいかに大切か、おわかりいただけたのではないでしょうか?しかし、サービス残業が当たり前に横行し、従業員が疲弊してしまっている環境を正していくのは容易ではありません。

単純に法改正だから従わなければならないではなく、従業員が気持ちよくパフォーマンスを発揮できる環境を作り、時間外労働を削減しながら業績も向上させ、働き方改革の目的でもある労働生産性を高めていく意識を持たなければならないのです。

それがグローバル化が当然で、競争が激化する一方の経済市場を中小企業が生き抜いていく、唯一の手段だともいえるでしょう。

働き方改革で残業は減るのか?どうしたら残業を減らせる?日本での働き方につきまとう課題を解決し、長時間労働の是正やワークライフバランスの実現によって、日本全体の労働生産性を向上させることを目的...

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